ドラマ性を持たせる

ジオラマ

ジオラマは、模型を使ってある情景を作り上げるものです。
町並みを再現したジオラマの上に鉄道のレールを敷いて、鉄道模型を走らせる「レイアウト」などもジオラマです。
写真を写すかのように、建物だけでなく、丘や山などの地形さえも再現するなど、製作者のアイデアをそのまま再現するものです。

現実に存在しそうな場所や、ある瞬間の情景を切り取ることしか出来ないと思われがちなジオラマですが、発想しだいでいくらでも世界が拡がります。
ジオラマは、ある瞬間の時間を切り取った情景を再現するだけでなく、ドラマを再現させる事も出来ます。
前後のストーリーを想起させる情景をジオラマで再現する事で、見るものにドラマを想像させるのです。
模型に動きを付けることによって時間の流れを演出することも出来ますが、優れたジオラマはまるで名画を見るようにドラマ性を感じさせます。

ジオラマでドラマを演出する手法は、絵画を描くことと同じです。
連続した時間の流れであるストーリーの中に存在する一瞬を舞台上に閉じ込めます。
映画のワンシーンや何気ない日常、戦争の悲哀やスペクタクルやカタルシスなどを模型で表現するのです。

決して写真のようにリアリティさを追求する必要などありません。
まるっきり空想の世界を再現することもできますし、縮尺を守る必要もありません。
見る人が製作者が意図したストーリーを思い浮かべる事を意図してもよいでしょうし、見る人によって色んな見方が出来る事を狙うのも自由です。